最も優れた作品に贈られる賞
(個人部門)
作品名:発進!ミライアグリカルチャー
小田桐 健太郎さん 弘前学院聖愛中学校 3年生
あなたが作ったワールド(未来のまち)は何年後の札幌ですか?
30年後の札幌
どのようなワールドを作りましたか?わかりやすく教えてください。
宇宙太陽光発電を用いた、大規模都市型農業工場施設を作りました。
宇宙太陽光発電システムにより、太陽の太陽光をマイクロ波に変換し、受信アンテナへ送電後に地上で電力に再変換され、その電力をもとに工場施設や地下鉄などが運用さている様子をワールド内で表現しています。また、SDGSの観点から既存の施設をできる限り再利用することをコンセプトとしました。
この施設は、大学と企業の共同研究により、新しい農業システムの構築、栽培技術及びAIシステムの開発を目的として、栽培域の環境に左右されない人工光栽培型及び太陽光利用型農法の研究開発を行っています。農業の新たな可能性を広げるとともに、日々蓄積される膨大な画像データやセンサーデータなどをデータベース化し、AIシステムが複合的に学習することによって画像認識や画像解析精度を高め、異常検知、需要予測など高度な分析力が可能となるAIアルゴリズムを構築し、またをれらを活用した農業システム関連産業の拠点となっています。
施設敷地内へは入場料を支払うと誰でも入場でき、植物栽培施設、食品加工施設、実験施設、コントロールセンター以外の区域への立ち入りは自由で、収穫体験エリアでは事前登録することにより野菜や果物の収穫体験をすることができます。施設内で生産された食品は、来場者が直接購入できるほか、札幌市中央卸売市場に運搬されるルートまでの全てがオートメーション化され、来場者はそれらの最先端Iot技術を、生活の身近に感じることができます。
札幌駅から北海道ボールパーク駅へ向かう地下鉄に乗って一駅というアクセスの良さから、市民は気軽に足を運ぶことができます。施設に至るまでの動線は完全バリアフリーで、AIシステムにより個々に必要な配慮がなされ、スマホ一台持っていればストレスなく安心して自由に過ごすことが可能です。施設内ではAI監視装置が常に全体の安全を見守り、トラック外側の芝生エリアでは子供たちが安全に走り回ることができ、またトラック内側のコンクリートエリアでは自動運転レベル4による移動サービスなどがあります。
どのような、まちやくらしを想像してワールドを作りましたか?
雪国札幌において電力の確保は欠かせません。2050年、クリーンテック(環境保全技術)が進み、JAXAが研究開発を行ってきた宇宙太陽光発電システム(SSPS)が安全に運用され、海外の資源に頼らずともクリーンエネルギーが安定的に供給できるようになり、脱炭素社会では殆どの移動手段が電気によるものとなっています。札幌市街地においては、冬季の自動車の交通渋滞の緩和のため、人流は地下空間が主となり、また、2030年の北海道札幌冬季五輪を皮切りに、北海道のプラットホーム札幌駅を中心とした都市計画が一層加速し、都市インフラの整備と共にスマートインフラの整備が進みました。人流、物流、医療、教育など全てがIotで制御され、クリーンかつ効率的に設計された、安心で暮らしやすい世界的モデルシティとなっています。
しかし世界規模では、世界人口は増大し、環境破壊といった要因から気候変動に歯止めがかからず、どこにでも異常気象が発生するようになり、安定的な食料の確保が世界的に最重要課題となっています。日本においては、少子高齢化が一層進み、その流れは札幌においても避けられず、あらゆる業種における労働人口が減少、特に一次産業における担い手不足が著しく、食料の安定供給が課題となりました。
そこで札幌市では、世界経済や気候に左右されず安定的な食料の確保を目的として、産官学連携による都市型農業施設の設立を計画し、本気で地元と手を携えて成長できる企業の誘致に成功しました。行政はインフラ整備や各種優遇措置でバックアップし、国立大学が持つ基礎研究力と、企業が得意とする分析力や販売戦略等がうまく合致したことで、商品の生産販売だけに留まらず、生産技術や生産方法をパッケージとして販売する仕組みを整え、世界向け一大産業に発展しました。
「産官学連携」は企業や公的機関からの研究費の調達というメリット以上に、地域産業の発展や魅力的な職場環境及び雇用の創出に繋がり、また早くから札幌市では将来のIT人材の確保のための教育に力を尽くしてきたことも功を奏し、街は若い人たちで賑わい活気づいています。
コロナ後の新しい日常生活において、AIテクノロジーが進歩しデジタルコネクティビティによる場面が増える中、完全デジタル化にはシフトせず、仮想空間と対極にある物理空間の存在意義が見直され、札幌市においては、産官学連携で生まれた産業の場が地域の人たちのコミュニティ活動の場としても利用され、市民から親しまれています。最先端の知の拠点である大学と、農業と、デジタル技術を融合することで、自然豊かで、暮らしやすく、魅力的な街札幌となりました。
このワールドのアピールポイントはどこですか?
制作に取り掛かる前に、札幌の歴史や市の戦略的方針などを知ることから始め、30年後のリアルを想像しながら課題の洗い出しと、コンセプトを定めることに時間をかけました。ミライを「30年後」と定めたのは、色々な勢力や考え方があることを想定し、多方面と折り合いがついて軌道に乗るまでの時間を考慮したたためです。また、理想の仮想空間をリアルに表現するため、オープンデータは使用せず、一から作り上げました。グーグルアースや都市地図などを用いてできる限り正確に再現し、また想像に偏らないよう、情報収集にも力を入れ、マイクラ内でそれらを表現するために見た目が近いもので代用するなど、工夫をしました。これだけ大きな作品を作ることは初めてで、ある程度の形が出来上がるまで、位置や方角を見失うような事象が多々あり、拠点となる目印や座標を頼りに、凡そ理想のワールドを表現できたと思います。
ワールド全体を高い所から見下ろした画像とその説明文
現存の施設がレタスの水耕栽培施設として生まれ変わり、外側がガラス張りで、オートメーションでレタスが栽培、運搬される様子を見ることができます。植物栽培施設、食品加工施設のほかグランドでは大規模ハウス栽培が行われ、無人区域では気温、湿度、生育、収穫、運搬に至るまで全てがAIで制御されています。ビニールハウスの一部立ち入り可能区域では、水耕栽培や土耕栽培による果物や野菜の収穫体験が可能です。トラックは一周が芝生で覆われ、子供たちが自由に走り回ることができ、監視塔からAIが常に全体の安全を見守っています。トラック内側はコンクリート敷きで、レベル4相当の自動運転可能な移動車が走っており、移動に不便のある方にも垣根を感じさせない自由な空間になっています。施設内の安全は常にAIの監視の下で守られ、夜間も熱センサーで感知し、ドローンで追跡撮影し、AIの判断で通報することが可能です。
アピールポイントの画像とその説明文
ハウス栽培施設、大型植物栽培施設では農業分野における研究が行われ、それらに係るすべてがデータベース化され農業システム関連産業の技術開発の礎となっています。監視カメラとドローン(アレイ)が常時野菜をチェックし、その画像やセンサーデータをコントロールセンターに送ります。Iot及びAIを活用した温度や日照量などの環境制御及び潅水量の調節、また自動収獲、運搬されている様子をトロッコで表現しています。
建物の入口を抜けると吹き抜けの広い空間があり、各自が購入した野菜を自由に食べられるほか、施設内で生産された野菜や、施設内工場で製造された代替肉製品を使った串焼き、植物由来のアイスクリームのみが提供可能となっています。来場者への対応はすべて人工知能を搭載したアンドロイドが行い、また、QRオーダーシステムを導入していることから、非接触型で注文から決済まで行うことができ、センシング機能を備えた複数の自走可能ロボットが安全かつ効率的に商品の運搬、販売、施設内の美化を行っています。
レタスの水耕栽培施設で栽培されるレタスは、主に市場の安定供給を目的として、広域における供給と消費のバランス予測から販売ルートまでをAIが判断し、24時間コントロールすることで持続可能かつ廃棄を最小限に抑えた食料生産を行っています。制御された環境下のもとで、人の手が一切かかることなく出荷までオートメーションで流れていく様子を、レールやトロッコを用いて表現しています。建物の裏にある出荷場から札幌市中央卸売市場まで運ばれています。
宇宙太陽光発電システム(SSPS)により、太陽の太陽光をマイクロ波に変換し、受信アンテナ(レクテナ)へ送電後、地上で電力に再変換される様子を表現しています。
コントロールセンターでは、施設内のすべての画像やセンサーデータ等の情報が収集、解析されると同時に、植物工場で計測したデータを活用し、栽培域の環境(温度・湿度・気流・光量・根域・土壌)に適した品種や種子の開発及び改良、また人工光栽培型・太陽光利用型(土耕栽培、ミスト栽培、点滴栽培)農法の研究開発及び改良が並行で行われています。施設内にはエアカーテンで仕切られたデータセンターを完備し、万全のセキュリティ体制で、大学の学生や企業の研究者たちが活躍できる環境が整っています。
プログラミング、コマンドブロック、レッドストーン回路の画像とその説明文
Optifine 1.19.2 KUDA-Shaders v6.1を使いました
地下鉄の駅にあるエレベーターの仕掛の説明。①エレベーターを赤丸で囲んでいます。②エレベーターです。③エレベーターの下の回路です。エレベーターのボタンが押されると、ピストンに信号が伝わり、先端がオブザーバーブロックの前に出てきます。オブザーバーブロックは目の前にブロックがあると信号を出し、その信号を受けたピストンがスライムブロックを動かして上下に移動します。不動ブロックにあたると止まります。④信号が伝わり、ピストンの先端がオブザーバーブロックの前に出てきている様子です。⑤エレベーターが上下に移動している最中の画像です。上下の矢印ボタンで上下に動くことができます。⑥地上のボタンの回路です。ボタンを押すとピストンに信号が伝わります。
ストラクチャーブロックについての説明。①ストラクチャーブロックです。ストラクチャーブロックを使うことでブロックを複製することができます。②ストラクチャーブロックをコピーしたい範囲の対角線上に置きます。検出ボタンを押すと、コピーする範囲が線で囲まれます。③②で囲んだ範囲でストラクチャーブロックを右クリックし、名前をつけて保存します。④保存した範囲を読み込みます。ストラクチャーブロックを読み込みしたい場所に置きます。ストラクチャーブロックを右クリックし、読み込みを押すと、読み込む範囲のガイド線で出てきます。確認の上、再度読み込みを押すと、保存したブロックが現れます。⑦この作業を繰り返します。⑧完成。大変便利な機能ですが、注意ポイントはしっかり計算をしてから行うことです。
レクテナがマイクロ波を受信している様子をコマンドでパーティクルを出し表現している説明。①コマンドブロックをレクテナの受け皿の下に置きます。②コマンドブロックの設定は「リピート」、「無条件」、「動力が必要」です。このコマンドブロックに書かれている内容は、コマンドブロックが置いている座標から、西に五ブロック離れたところから座標の値が「5,25,5」の座標までの空間に、一秒間につき100個のflashのパーティクルを出すコマンドが書かれています。③コマンドブロックにレバーをおいてオンにし、flashのパーティクルが出てきました。④肉眼では見えない電波を受信いる様子をパーティクルによって可視化しわかりやすくなりました。
Plotz Modellerというツールを使いました。こちらのサイトを開いて、Sphereのモードを使い、綺麗な球体を作るのに活用しました。直径12ブロックの球体をつくりました。
未来の札幌で達成したいSDGsのゴールを教えてください
ワールドの中で考えたSDGsを実現するためのアイデアを教えてください
2・9・11:Iotを活用した都市型農業システムを確立し、代替肉の加工技術の開発、植物工場の研究及び技術開発を行う。生産から供給までを予測制御することで昼夜問わず需要と供給に合わせた出荷が可能となり、消費者に安定的に安全な食料を届けることができる。
7・9・13:宇宙太陽光発電が安全運用され、気候に左右されず、にどこにいても電気を使えるようになる。途上国や被災地にもクリーンエネルギーを届けることができる。
9・11:駅前地下整備を含めた交通網の整備、Iot制御された流通網の整備、インターネットアクセスの普及向上を図る。
11:公共交通機関に蓄電池電車やEVエコカーを導入する。
3:テレワークやリモートなど在宅時間が増えたことによる、運動不足や食生活の乱れを解消するため、アクセスしやすい施設で身体を動かし、生活習慣病の予防やメンタルヘルスの不調の解消につながる。
12:需要と供給のミスマッチを防ぐため、AIの需要予測により、生産をコントロールし、過剰な在庫、売れ残りなどによる食品ロスを減らす。